エコキュートは深夜電力の時間帯にお湯を作ることで、省エネと、電気代の節約をしてくれる給湯器です。
ですが、お湯を使いすぎると、お湯が足りなくなってしまうので、追加でお湯を沸かす必要があります。
ここで、注意が必要になります。
ガス給湯器は瞬間的にお湯を沸かせますが、エコキュートはヒートポンプ(エアコンの室外機のような機械)で、空気の熱と電気の力でじっくりとお湯を沸かします。
瞬間的には沸かせないため、ある程度のまとまった量を沸かすのにどれぐらいかかるのでしょうか?
先に結論からお伝えすると、1時間で約100L(42℃)のお湯を作ることができます。
エコキュートは42℃のお湯を1時間で約100L作れる
先ほどの結論の通り、エコキュートは42℃ぐらいのお湯を1時間で約100L作れます。
これはダイキンのエコキュートのパンフレットにも記載されていますし、パナソニックの施工者向けの冊子にも、ほぼ同じ数値が記載されています。
大手のダイキン、パナソニックがほぼ同様の量ですので、一般的にエコキュートは1時間で42℃のお湯を約100L作れると考えて良いでしょう。
実際には42℃でお湯を作っている訳ではない
「42℃の」と記載していますが、エコキュートの内部では42℃のお湯を作っているわけではありません。
実際には、約65℃~90℃ぐらいの間で設定によって沸かす温度が変わってきます。
そのため、基準としては、80℃のお湯を1時間で50L沸かせると記載されています。
80℃で沸かしたお湯を、リモコンの給湯温度設定で42℃にした場合は、42℃にするためにエコキュートの内部で水を混合させて出湯します。
この計算でいくと80℃で湧いてる50Lのお湯を42℃出す際には、混合した水を混ぜる分も含めて、約100Lになるという訳です。
給湯温度設定が低ければたくさんお湯を使える
ですので、もっと低い38℃の給湯設定にすれば水が混合される量が増えるので、もっとたくさんのお湯が使えます。
逆に、45℃とかあつ~いお湯を使おうと思うと、もっと実際に使用できる量は減ります。
370Lのエコキュートはいったい何リットルのお湯が使えるの?
先ほどの計算でいくと、エコキュート内部を80℃のお湯で満タン沸かした場合は、42℃に換算すると650Lのお湯が使えます。
もっと高い温度で沸かせば、水を混合する量を増やせるので、たくさんのお湯を使うことができます。
ですので、370Lのエコキュートは370Lしかお湯を使えないんじゃんくて、実際に使用する42℃ぐらいに換算すると倍近い、700L近くのお湯は使える計算になります。
お風呂いっぱいで約180Lが一般的ですので、お風呂いっぱい入れてもまだ500Lほどシャワーや、手洗い、食器洗いにお湯を使えます。
季節によって、混ぜる水温も変わるので、冬場はやや少なくなるイメージです。
お風呂いっぱいで約180Lなので、お風呂を沸かすのに約2時間
一般的な浴槽はお風呂を8分目ぐらい貯めると約180Lほどになります。
という訳で、エコキュートでお風呂いっぱい分のお湯を沸かすには約2時間かかる計算になります。
エコキュートのお湯をどれぐらい沸かすかは基本的には「おまかせモード」でOK
最近のエコキュートは、どのメーカーも「おまかせモード」みたいなものがついています。
これは毎日使用しているお湯の量をエコキュートが学習して、家の使用量に合わせてお湯を作ってくれるモードです。
学習といっても、そこまで複雑なものではなく、約2週間ほどのデーターを記憶していて、翌日のお湯の量を計算してくれるというものです。
夏場は使用量が減ってくるので、それに合わせてお湯の量を減らします。
逆に冬場はお湯の量を増やします。
減らす、増やすというのは、温度で調整しています。
前述の通り、高い温度で沸かせばたくさん使えます。
低い温度だと、実際に使用できる湯量は減ります。
ですので、エコキュートの中は、常にお湯か水が満タン貯まっていて、それを何度で沸かしているかで、実際に使える量を調整しています。
ガス給湯器より早くはないが、やっぱりエコキュートの方が省エネで家計に優しい
ガス給湯器と比べると
- 瞬間的にお湯を沸かせない
- 設置スペースがガス給湯器より大きく必要
この2つだけがガス給湯器には勝てない部分ですが、それ以上のメリットがたくさんあります。
エコキュートはお湯が足りなくなった時に、瞬間では沸かせない面はありますが、1時間で100L沸かせるなら十分じゃないでしょうか?
ちょっと待てばシャワーを浴びるには十分なお湯が沸きます。
基本は、その家の使用量を常に学習しているので、イレギュラーな使い方をしなければ毎日使う量はきっちり確保できます。
どうしても急いでお風呂に入りたい場合には待たないといけない・・・
ということもありますが、それ以上に日々の光熱費(電気代)はガス給湯器の1/3という圧倒的な省エネ性能。
災害時にも、貯水タンクとしての役割りもあります。
停電時に使えないのは、ガス給湯器も同じです。
(ガス給湯器は屋外用コンセントの電気で動いています)
むしろ、エコキュートは停電時でもお湯を出すことができます。
(給湯温度の変更は不可、停電が復旧するまで新たにお湯を沸かすことはできません。)
導入費用もガス給湯器より高いことが多いですが、月々の電気代で、トータルコストはエコキュートの断然安くなります。
給湯器を買い替えるならぜひエコキュートを検討してみましょう。